「ボードゲーム」と聞いてなんのことだかわからない方はまだまだ多い。テレビゲームではない、サイコロ振ったり、カードをつかったりするゲームだ。
これらが障害者支援の現場でおおいに役立っているという、知らない方には寝耳に水?というお話です。
目次
きっかけはカタン。カタンの開拓者
知らない人には何のことやら。。。だが、なんだか通所している日中一時支援施設でボードゲーム会を始めることになった話を書く。
さて、ゲームオタクだから、昔は人を集めてよくテレビゲーム、ボードゲームで遊んでいた。
ボードゲームなら、人生ゲーム、モノポリー。
テレビゲームなら、桃太郎電鉄、いただきストリートとかが多かったか。(PCエンジンの「悠遊人生」は中身は人生ゲームだし)
さてこの辺のゲーム、ほぼ共通しているのは、誰かが大負けして、それで盛り上がる。
だから、ある程度技量があっていないと盛り上がらないし、負けてもたのしめる人でないと。。。とかなり人を選ぶわけだ。
そんなある日、友人がカタンというゲームを持ってきた。
CATAN カタンの開拓者。。。ドイツ製の、日本にはないタイプのゲームだった。
無人島に入植した開拓者たちが、資源を採掘しながら、場所をとりあい、道路や街を建設して開発ポイントを競うというものだ。
このゲーム、サイコロも振るが、そのプレイ時間の大半が他のプレイヤーとの交渉だ。
「小麦、レンガのカードをあげるから、金属のカードをもらえない?」的な交換を繰り返し、道路をひき、都市を開発していく。
最初は協力し合わないと、採掘設備も発展しない。資源が大量に出ないとお互いにゲームが進まないからだ。
仲良しムードの人、いかにも裏があるような交渉を持ちかける人、人間性が出る。そういうやり取りも楽しい。
しかし勝利ポイントがたまり、終盤になると、だんだん小競り合いが始まり、展開がきゅっとしまってくるいう。。。
カタン中毒になったぞ そしてパンデミック?なんじゃこりゃ
免疫がないので、たちまち急性「カタン中毒」になった。むさぼるように人を呼んで遊び、
人が呼べない日はXBOX360版でオンライン対戦を行きずりの外人たちと繰り返した。そのために友人に中古のゲーム機をプレゼントするくらい遊び狂った。
そんな中友人が、今度は「パンデミックがやりたい」と言い出した。
「パンデミック」。。。世界規模で流行する病気の病原菌との闘い。
プレイヤーは通信司令員、検疫官、衛生兵、科学者などの役目を請け負い、世界を飛び回って病原体の根絶、またワクチンの開発に取り組んでいく。
ワクチンが四種類作成出来たら、人類の勝利。逆に菌の繁殖がそれを上回ったとき。。。人類は敗北。
完全な協力型で、全員勝利、全員敗北のどちらか。いやでも全員必死に協力する。後半になると菌の繁殖は爆発的にスピードアップし、いやでもドキドキハラハラする。
このゲーム性が、サイコロなしで実現しているというのが一見信じられないわけだが、何回か勝ったり負けたりすると、これまた強烈な中毒性が。。。
ママがはまった。デイケアではやらせたい!!失敗したが、奇跡的に復活?
ママが激ハマリした。そしてデイケアではやらそうとした。そうなると私は、全力で協力するしか道はない。ゲームを紹介しているコミック「放課後さいころ倶楽部」もその部分コピーして説明書代わりにしたりして応援した。
でも、どうやら不発に終わったらしい。一回はあそんでもらうことにこぎつけたが、その一回きりであった。
それから、あきらめきれない自分は、当事者会とか日中一時支援に、毎回担いでいっては遊んでもらったが、ママがさすがにくたびれて、遊びたいけどわざわざ持っていくのは。。。くらいにトーンダウンしていった。
そんなある日、日中一時支援でよく合う利用者の友人が、「ぜひうちでボードゲームをやってほしい、何人かのぼるやママさんがもってくるのを楽しみにしているから」と言ってきたのだ。
その友人の言い分はこうだ「だれかが一方的に負けない、外国のゲームなら、お話が苦手な障害者でも、達成感を感じたり、コミュニケーションツールとして使えるのではないか」と。
そういわれるとまんざらでもない。もとより遊んでもらえるのなら、何個も持っていくのも全然苦労でない。むかしはゲーム機担いで遊びにいっていた我々だ。
願ってもないこと。ママは盛り上がったら自然と混じるだろう。まず自分が火をつけに行こう。
その日は来た!!ボードゲーム会開始!!
その日中一時支援は駅でいうと一駅くらい離れているので、ママには無理せず伝えた。
そして最初は一人でゲームを担いで持って行ったのだ。
最初にもっていったのはこの3種類。
カタン(前述)
パンデミック(前述)
スプレンダー宝石の煌めき(きらめき)
「宝石の採掘権を奪い合い、その富に貴族たちが吸い寄せられてくる」というテーマのカードゲーム。とにかくカードがおしゃれ。ルールが簡単。
なんとくプレイができてしまい、最初はどうやって勝つのかわからないけど、知らぬ間にハマっていくという何とも言えない計算しつくされたゲームデザイン、ゲームバランス、
そしてオサレ感。
最初の何回かは利用者さんの希望でパンデミックを選択。
初心者モードでやるも、なかなか勝てない。ところが、何人かが異常な速さでゲームを理解してぐいぐい食いついてくる。
勝てないのに、なんでこんなに楽しそうに遊んでくれるの?
おお?手ごたえを感じた。
まとめ
友人からもたらされたボードゲームは、このように我が家で布団の火事のように燃え続け(笑)ひょんなことから日中一時支援施設で日の目をみるのである。
従来のゲームと違いことさら人をおとしめないゲーム性。会話ができない利用者さんとも盛り上がれるコミュニケーションツールとしての側面が遺憾なく発揮されつつあった。。。
続く。
発達障害とボードゲーム。優しいゲーム性で日中一時支援にまさかの大人気 その2